企業不祥事に学ぶ危機対策

昨今企業の不祥事が後を絶ちません。

 

アメリカの企業のデータ漏洩を対岸の火事のように見ていたら、我が日本のトップ企業の数々が不祥事をここ数年起こしています。ここ数カ月で行くと新日鉄、日産、東レの子会社、等々。いずれの件を見て思うのは、どの企業も不祥事のリスクが無くなることはないのに、低いコンプライアンス意識と危機管理意識のせいで、余計に事が大きくなってしまっているということが言えるのではないでしょうか?

 

いずれの企業の例にしても、常態化していて、それまでいくらでも直すチャンスはあったのにその手を打ってこなかった。また、事が発覚しても、謝罪会見のみで、その後の事後の適切な対処を取ることが出来ないでここまで来ている、と言えます。

 

大きく言える問題点が2点。

 

1つは法令順守意識の欠如。これは誰が見ても明らかですよね。これは企業風土が背景にあるかと思います。この点は、各企業の努力でやっていくこと。この記事ではフォーカスしません。

 

ここで最も感じたのは、MBAで学んだことの一つ、PR(パブリックリレーションシップ)に対する戦略が欠如しているように思えます。普段から自身の顧客とどのようにコミュニケーションを取っているのか。

 

1)短期的、長期的な視点

2)どの媒体を使ってどのようにコミュニケーションを取ろうとするのか。

3)その際のオーディエンスは具体的に誰か?

4)顧客が納得いくような説明が出来るのか

 

上記に挙げた視点が今回の事例の経営者に欠如しているように感じてなりません。会社の中枢で急ごしらえに議論を行い、公表したというのが経緯だと思います。(推測ですが)こと今回被害が大きくなっている新日鉄と日産に関しては、思い切った今後の変革が必要だと思います。信頼を失うことはすぐできる、しかし信頼を取り戻すには時間がかかるのです。

 

取り分け顧客が納得を行く説明をするために、必要であれば第三者機関のチェックの元、全てを表に出して再出発、というパターンも場合によっては必要かと思います。日本人がよく躓くところなので重ねて言及しておきますが、過去の血液製剤事件や公害問題、その他不祥事の件で散々この点が話題に上っているにも関わらず、柳田邦男さんがその著『この国の失敗の本質』でご指摘されているように日本人はこのようなメスを入れることをためらいます。

新日鉄や日産の程度がここまでの対応が必要なものか、私は判断出来ませんが、場合によっては必要、ということをここでは述べておきたいと思います。

 

また最後に述べるのはリスク管理について昨今はネットで情報の伝達が加速度的に速くなっているため、場合によっては24時間、365日体制でこう言ったリスクに備えるということが必要な時代になってきています。(理想を言えば)

 

ここで挙げた3社は日本のトップ企業です。恐らく氷山の一角と言わざるを得ないでしょう。